ブックマーク / www.tokyoartbeat.com (5)

  • 『虎に翼』の家族とジェンダーから見えるもの。家制度の亡霊と、「いま」を描く物語(評:竹田恵子)

    「家族」を描くドラマとしてまさか、自分が朝ドラを毎日観見るようになるとは思わなかった。でも面白いから見てしまう、NHKプラスで。みなさんも、ですよね。 みなさんもご存じのとおり、2024年4月から朝の連続テレビ小説として放映されている『虎に翼』は、日では最初の女性弁護士のひとりをモデルにした猪爪(佐田)寅子(ともこ)の物語である。 このドラマをフェミニズムに関係ない、という人はいないと思う。法律、憲法、人権といった多様な視点から語ることができるから、私よりよほどうまく語れる人はいくらでもいると思う。ただ、私はこの物語がもっとも中心的に描こうとしているものとして「法」のほかに「家族」があるのではないかと思う。だがその前に、少しドラマの根底にある姿勢のようなものについて書いてみたい。

    『虎に翼』の家族とジェンダーから見えるもの。家制度の亡霊と、「いま」を描く物語(評:竹田恵子)
  • 【対談】山田五郎と村上隆が、近現代の日本の美術史から読み解く「なぜ村上隆は嫌われるのか?」

    美術の近現代史の歪みが生んだ、村上隆の「嫌われる理由」村上:今日はありがとうございます。山田さんのYouTube番組は、ずっと拝見していました。 山田:「村上隆 もののけ 京都」は、お世辞抜きで期待以上に良かったですよ。《お花の親子》(2020)が東山を借景にした日庭園の池にじつによくフィットしていましたし、《風神図》《雷神図》(ともに2023〜24)にしても、《洛中洛外図 岩佐又兵衛 rip》(2023〜24)にしても、力作ですよ。 京都で開催する必然性のある展覧会になっているところがすばらしいと思いました。 村上:今日は山田さんに、クリティカルに忌憚(きたん)のない解説をいただけるという期待をしています。じつは、2020年オリンピックの東京開催が決定した2013年9月7日(日時間8日)の、その5分後に、「村上隆だけにはキャラクターを作らせたくない」という言葉がTwitter(現

    【対談】山田五郎と村上隆が、近現代の日本の美術史から読み解く「なぜ村上隆は嫌われるのか?」
  • 「大吉原展」が炎上。遊廓はこれまでどのように「展示」されてきたのか? 博物館や遺構の事例に見る享楽的言説と、抜け落ちる遊女の「痛み」(文:渡辺豪)

    相次ぐ「大吉原展」への批判ここ数日、「大吉原展 江戸アメイヂング」(以下、展)がSNSを賑わせている。展は、かつて江戸/東京にあった公娼街・吉原遊廓を取り上げたもので、今年3月から東京・上野の東京藝術大学大学美術館で開催される美術展である。展公式サイトのステートメントには「『江戸吉原』の約250年にわたる文化・芸術を美術を通して検証(改行)仕掛けられた虚構の世界を約250件の作品で紹介する」とある。 マンガ家・瀧波ユカリ氏のX(旧Twitter)では、前述のステートメントに続く序文を指して、「ここで女性たちが何をさせられていたかがこれでもかとぼやかされた序文と概要。遊園地みたい。」と非難するコメントをポスト。ここを起点にSNS上での意見対立を生んでいたようだ。 筆者の私は遊廓を専門に扱う書店・カストリ書房を経営しているが、同店は吉原遊廓が戦後に何度か看板を掛け替えて現在は吉原ソープ街

    「大吉原展」が炎上。遊廓はこれまでどのように「展示」されてきたのか? 博物館や遺構の事例に見る享楽的言説と、抜け落ちる遊女の「痛み」(文:渡辺豪)
  • 奈良美智ロングインタビュー(後編)。願い続けてきたPEACE、旅と場所づくり、アートよりももっと自由な人生を求めて

    アーティスト・奈良美智にとっての故郷、そして「はじまりの場所」がテーマの個展「奈良美智: The Beginning Place ここから」(10月14日〜2024年2月25日)が行われる青森県立美術館でインタビューを行った。後編では、展覧会のハイライトとなる部屋と平和への思い、旅やコミュニティ、自由など、作家を貫く思想について話が及んだ。(聞き手・文:宮村周子)

    奈良美智ロングインタビュー(後編)。願い続けてきたPEACE、旅と場所づくり、アートよりももっと自由な人生を求めて
  • アーツ前橋の問題が東京藝大に波及。アーティスツ・ユニオンが意見書提出、学生が説明を求める動きも

    「深刻な出来事」と再発防止を要望国内や世界を拠点に活動する現代美術家の労働組合「アーティスツ・ユニオン」(村上華子支部長)は、東京藝術大学の日比野克彦学長に「アーツ前橋の契約不履行事案にかかる再発防止を求める意見書」を6月20日に送付したと発表した。意見書は、アーツ前橋が2019年に開催した企画展の記録集の発行を中止し作家に業務委託料を一部支払わなかった問題を、「美術業界に関わる誰しもが尊重される平等で公平な労働環境の実現をはばむものとして、非常に深刻な出来事」と指摘。同大教員のアーツ前橋前館長(編集部注:住友文彦=当時東京藝大大学院准教授、2021年4月より教授)が、問題に関わっていたとして再発防止を求めた。被害を受けたアーティストの名誉回復に努めることも要望した。 また、前館長が教授を務める東京藝大大学院の学生からも大学側に説明を求める声が上がっている。 2013年の開館以来、気鋭の作

    アーツ前橋の問題が東京藝大に波及。アーティスツ・ユニオンが意見書提出、学生が説明を求める動きも
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