最寄り駅のキオスクに小動物系の、どの動物かと言えばリスっぽい乙女(以下、リス子さんと記す)がいるのだが、そのリス子さん、リスっぽくて可愛らしいというのは勿論のこと、接客のサービス精神が逸しているのである、常軌を。 キオスクに来店するお客に対して癒しの笑顔を惜し気なく振り撒きながら、プリンのような物腰の柔らかさから「今日も一日頑張ってください(おんぷ)」と非言語メッセージを伝えてくる(私の恣意的解釈であるが、そういう陰翳があるのである)かのリス子さんは、陰りある接客業界をそのリス子スマイルで照らし、領導する存在であることはまず間違いない。 そこで私はある時、自身のカッサカサの唇を癒す為にリップクリームを買いに行った。「すみません、リップクリームありますか?」という私の問いに、彼女は刹那思案し、「ちょっと待っててくださいね」と言ったあと、遠くに吊るされていたリップクリーム全種をわざわざレジまで