世界的な自撮りブームのなか、大ヒット商品となった“自撮り棒”。アメリカの『TIME誌』では「’14年ベスト発明品」にも選ばれているほどだ。 だが、実は自撮り棒の発明は’83年。同様の商品がミノルタカメラ(現コニカミノルタ)から発売されていたのだ。その名も「ミノルタ・ディスク7」。シャッターボタン付きのセルカ棒が付属している自分撮り専用カメラだ。当時のことをコニカミノルタに聞くと、「よくわからない」との回答。 「わかっているのは、’85年にアメリカで特許を取得し、その後、失効したことだけ。開発の経緯や反響なども残念ながら不明です」 そこで、日本カメラ博物館・学芸員の井口芳夫氏に聞いてみた。 「当時は自撮りなんて発想がない時代でしたから、オモシログッズとして扱われたようですね。また、使い勝手の悪さからあまり普及しなかった『ディスクフィルム』を使用していたこともマイナー性を高めてしまったのでしょ