大好きな大将が天国に行ってしまった。 私に寿司の楽しさ、美しさ、味わい方を教えてくれた恩人だった。 あのセンスと技術で、どれだけの人を幸せにしたのだろう。 初めて太平寿しに行ったのは、かれこれ15〜6年前だろうか。 まだ野々市が野々市市というややこしい都市名になる前のことだった。 東京で暮らしていた私の目には、住宅地に佇む普通のお寿司屋さん。 それが太平寿しの最初の印象だった。 そう思ったのはきっと私だけではあるまい。 連れてきてくれた地元の友人、吉田さん曰く、とにかく美味いと言う。 期待もせずにお店に入ると、なんともダンディで髭のよく似合う笑顔の素敵な大将が出迎えてくれた。 大将の寿司はのっけからどれも独創的な寿司で、それまで食べた事が無いような、呆気にとられるものばかりだった。 そして何より大将の人柄が素晴らしく、また直ぐに来たくなってしまった。 それからというもの、美味い寿司が食べた
![大将、ありがとうございました。|Hitoshi Miyata](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/386e5de0666ad656a23a844f5e1e71bd2349c3cb/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fassets.st-note.com%2Fproduction%2Fuploads%2Fimages%2F6023567%2Frectangle_large_f8e99eef127f2595cc87862e2448318c.jpg%3Ffit%3Dbounds%26quality%3D85%26width%3D1280)