ブックマーク / note.com/yuuuuuiiiii (4)

  • さよなら、こじらせ女子|嘉島唯

    「お前は俺が考える、現代のこじらせ女子だ」 伸ばしきった長髪を結び、下駄を履いて登校するような同級生に突然そう言われた。 「はぁ?」 その時、私は過労死寸前で休職中。心療内科に通いつつ、映画やアニメを見ては死にたい衝動を抑えているニートだった。 「とりあえずこれを読め」 2011年当時、AVライターとして活躍していた雨宮まみさんの『女子をこじらせて』というだった。 AVに興味を持ったとき、私は自分が「女である」ことに自信もなかったし、だからAVに出ている女の人たちがまぶしくてまぶしくてたまらなかった。「同じ女」でありながら、かたや世間の男たちに欲情されるアイコンのような存在であるAV女優、かたや処女でときたま男に間違えられるような見た目の自分。そのへだたりは堪え難いほどつらいものでした。 序文からすさまじい吐露が繰り広げられ、思わずを閉じた。衝撃的な単語はもちろんのこと、目をそらし続け

    さよなら、こじらせ女子|嘉島唯
  • 社畜女子の呪い|嘉島唯

    かつて私は社畜だった。そして、死にたかった。 でもこの言葉を何度も頭で唱えては、生にしがみついていた。 元始、女性は実に太陽であった。真正の人であった。 今、女性は月である。他に依って生き、他の光によって輝く、病人のやうな青白い顔の月である。 平塚らいてうが1911年、「青鞜」創刊時に寄せた文章だ。 「パステルカラーの服を着た方がいいんじゃない?」私は男性に負けないくらい働きたいと社会に出たものの、22〜24歳の間、ずっと自殺を考えていた。以前「『これだからゆとりは』で死ぬ場合もある」というnoteに書いたが、適応障害になったのだ。 原因の1つは長時間労働だろう。仕事の量も多かったが、誰よりも努力すれば結果が返ってくるものだと勘違いしていた。加えて、自分を犠牲にして働くことでしか、存在意義を見出せなかった。 拍車をかけたのが、ジェンダーのコンプレックス。「女だから実力が正当に評価されない」

    社畜女子の呪い|嘉島唯
  • 「きみはそのままでいいんだよ」の真意|嘉島唯

    「きみはそのままでいいんだよ」 言われたことがある人は結構いる気がする。この言葉は自己肯定感が低い人、もっと言うと、こじらせている人に向けられることが多い。言われた人は「このままじゃダメなのに、変わりたいのに」と思う。 私自身、20歳を過ぎたころからよく言われてきた。そのたびに「どうしてそんなこと言うの?」と苦虫を噛み潰したような顔をした。 そのままでいい――当時の私には、成長しようとするのを止める悪魔の囁きにも聞こえていたからだ。 どうすれば傷つかずにすむのだろう?きっと誰もが、他人に裏切られたり、失敗を重ねて大人になる。賢い人は反省点を見つけ出し、過ちを繰り返さないようにする。しかし私は「どうすれば傷つかずにすむのだろう?」と考えるようになった。 私のような人にとって「キャラ設定」は便利だ。与えられた役割を演じてしまえば、空気という名の台を読めばいいだけ。適当にやりすごしていれば、

    「きみはそのままでいいんだよ」の真意|嘉島唯
  • 母を亡くした少女の頭の中|嘉島唯

    佐世保で女子高生が同級生を殺害したことが連日の話題だ。容疑者は罪深い。しかし、彼女の家庭環境を思うとあまり他人事ではないように思えた。なぜなら私も母を癌で亡くしたからだ。 ただ、容疑者の彼女と自分の人生を照らし合わせるのはナンセンスだし、擁護する気もない。けれども、もし仮にあなたが父親になった時、少しだけ考えて欲しい。「母が他界したら娘はどう思うのか」そのひとつのケース。 じわりじわりと「それ」は来る最初に母が体調を崩したのは、私が小学生になる頃だった。腎臓に異常があるとのことで1ヶ月程度入院したのだった。 この時から私は母の死を意識するようになった。「あと何回ご飯がべられるのだろう? 何回会えるんだろう? もしかするとこれが最期かも」と。だからといって、その心境は決して母に伝えてはならなかった。余計な心配をさせてはいけないと幼いながらに心に誓ったことを記憶している。 母の病名がどんどん

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