広く弱くつながって生きる 2018.06.11 公開 ポスト 第一回 「自己愛過剰社会」に翻弄されないために小野美由紀(ライター・コラムニスト)/佐々木俊尚(作家・ジャーナリスト) 新書『広く弱くつながって生きる』の著者・佐々木俊尚さんと、小説『メゾン刻の湯』の著者・小野美由紀さん。おふたりが「これからのつながり方」について対談しました。 自己啓発本に翻弄されるな! 小野 『広く弱くつながって生きる』、すごく共感しつつ拝読しました! 佐々木さんがこの本を出そうとしたきっかけは、何かありますか? 佐々木 きっかけは、小野さんの『メゾン刻の湯』のお話にもつながってくると思うんですけど、なんかいま、共同体というのがなくなっちゃっているじゃないですか、社会から。 小野 そうですね。 佐々木 歴史を振り返れば、太平洋戦争の前ぐらいまでは「ムラ社会」と言われる農村共同体のようなものがわれわれの居場所と