1982年5月5日、ICPオーケストラは、岩手県盛岡市の教育会館大ホールで演奏した。この来日時のツアーの演奏は、盛岡の六日後、大阪でのライブ録音がレコード化され『ヤーパン・ヤーポン』としてリリースされた。 調べれば分かる事だが、一応メンバーを記しておこう。ハン・ベニンク(dr)、ペーター・ブレッツマン(ts, as, bs)、ケシャバン・マスラク(ts, as)、マイケル・ムーア(as, cl)、近藤等則(tp)、ウォルター・ビアボス(tb)、ユープ・マーセン(tb)、ラリー・フィシュキン(tuba)、モーリス・ホルストハイス(viola)、そして指揮と作曲とピアノがミシャ・メンゲルベルクである。 この来日はとてもタイミングが良かったと思う。当時は、ようやく「即興演奏」という「形式」が、「ここには一つの可能性がある」と認められ、ある種の成熟に向かっていた時期だといえよう。 1982年は、仙