先週22日の繊研新聞は『フリーストックで急成長』と見出して現物卸型婦人服メーカーの台頭を取り上げていたが、『ファストアパレルの復活』と見出すのが正確な表現と思われる。 シーズン先行の展示会受注ではなく、引き付けた企画と自己リスクでの見込み生産でタイムリーに現物を即納する「ファストアパレル」は70年代のマンションメーカーでは一般的な姿だったが、直営店展開のDCブームを経てSPA化が急進した90年代以降はマイナーな存在になって行った。今日でもパリのサンチェやSEOULの南大門などファストアパレルが集積する一角が残り、日本でも問屋街に点在するが、ここへ来て復活が目立つのはアパレル市場の急激な冷え込みに起因している。 需要に倍する過剰供給とお値打ち感の底割れでアパレル流通が'価格崩壊'に瀕する中、先行発注のロット買い取りというリスクの高いオリジナル開発やODM仕入れで在庫を抱えロスに苦しむ専門店が