現代はストレス社会だといわれます。メンタルヘルスのクリニックや診療科は増えつづけ、カウンセリングを受けたり、日常的に向精神薬を服用するひとも珍しくなりなりました。 ストレスを感じるのは、世の中がどんどん悪い方向に向かっているからです。経済格差は拡大し、国際金融資本主義は破綻寸前で、中国は軍事的攻勢を強め、安倍政権は戦争の準備に余念がありません。これでは将来のことが不安にならない方がどうかしています……。 しかし、いちど冷静になって考えてみましょう。 客観的なデータを見れば、日本人がものすごくゆたかになったのは間違いありません。昭和30年代を描いた映画がヒットしたことがありましたが、あの時代にはインターネットもゲームもディズニーランドもなく、車を持っているのはごく一部で、海外旅行など夢のまた夢でした。 それと同時に、日本人はずっと長生きになりました。昭和30年代の日本人は60代半ばで死んでい
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