◆たばこがペットに与える影響とは。 ◇受動喫煙でがんの恐れ ◇有害物質、床近く滞留 「危険3倍」調査も 和歌山市の石丸動物病院に昨年6月、1匹の猫(オス、6歳)が運び込まれた。数日間エサをまったく食べないという。体からたばこのにおいがしたため、副院長の石丸昌子さん(56)が理由を聞くと、飼い主の自宅は美容院で、猫は灰皿を置いている待合室によく出入りしていたらしい。 触診で腸のあたりに異物を感じたことから、石丸さんは飼い主の承諾を得て体を切開。腸に複数の腫瘍を見つけた。大きなもので1センチ。既に手の施しようがなかった。病理検査で悪性リンパ腫と判明した。 猫は食欲が戻らないまま、数日後に衰弱死。検査では因果関係まで特定しなかったものの、石丸さんは「受動喫煙の影響が大きかったのではないか」とみている。飼い主は「たばこが動物にも悪いと知っていたら、待合室に入れなかったのに……」と肩を落とした。 *