ノーベル物理学賞の受賞が決まった京都産業大教授の益川敏英さんと日本学術振興会理事の小林誠さんが10日午前、2人そろって塩谷文部科学相と野田科学技術相を訪問した。 益川さんは塩谷文科相に、大学受験などで、難しい問題は深く考えず易しい問題だけを選んで解くよう指導している学校の現状を指摘。「これでは、考えない人間を作る『教育汚染』だ。親も、じつは教育熱心じゃなくて『教育結果熱心』だ」と教育のあり方を手厳しく批判。 小林さんも「検定教科書には必要最低限のことが書いてあるだけ。もっとストーリーが必要」と、読む気を失わせる教科書の現状に苦言を呈した。 野田科技相が、「雲の上の人が地上に降りてきた感じ」と緊張気味にあいさつすると、益川さんは「ひねくれものですから」と恐縮。言葉少ない小林さんは、「(しゃべりは)益川さんに任せてますから」と笑顔を見せた。