現在アメリカではLGBTQや黒人史にまつわる書籍や絵本が地方レベルとはいえ、学校で次々と禁書にされる事態となっている。つまり検閲=表現の自由の規制がなされ、さらには教科書での歴史修正さえ行われる国となっているのだ。 以下、LGBTQ/黒人史の禁書の実態と、それに繋がる2024大統領選について考えてみる。 近年、全米各地の学校での禁書が問題となっているが、今年5月、メディアが特に注目した禁書があった。2021年のバイデン大統領の就任式で朗読された黒人女性詩人アマンダ・ゴーマンの詩「わたしたちの登る丘」が、フロリダ州のある学校で禁書指定されたのだ。 ニュースでこの件を知った当初、詩の以下の箇所が反CRT派(クリティカル・レイス・セオリー、日本では「批判的人種理論」と訳される)の反感を買ったものと思われた。 「奴隷の血を引き、シングルマザーに育てられた痩せっぽちの黒人の少女が、大統領になることを