実はこの上海訪問は経済調査が目的ではなく、上海アニメフェスティバルのトークイベントに出席するためだった。 上海のアニメの盛り上がりぶりには驚く。来場者は20代の若者が中心で、60人ほどしか座れないトークイベントの会場は立ち見客で満杯になった。 中国では私の知名度などないと思っていたが、イベントが終わると、写真やサイン、握手を求めて私の前に行列ができたのには驚いた。聞いてみると、日経ネットに連載中の『萌えるアキバが日本を変える』を翻訳ソフトで読んでいるという。 外交的には日中首脳会談も絶望的で冷え込んでいるが、アニメを通じて私は中国人と大の仲良しになった。彼らは日本のアニメを熱心に見ているので、日本語をしゃべる若者も多く、日本への関心が高い。 アニメのキャラクターに扮するコスプレも大好きで、衣装を自分たちで作り、一種の演劇として楽しんでいた。会場には日本からコスプレーヤーの寿