1. (初めに) 自民党金融調査会「金融政策に関する小委員会」に於いて、「昨今の世界的金融危機や景気後退の状況は1929,30年代初頭の大恐慌・昭和恐慌に酷似している。」との問題意識から、これを脱却する処方箋を見出すための勉強会が、「昭和恐慌の教訓と金融政策」と題して11月末から毎週1回、4回にわたって開かれた。そこで得られた知見は、従来の我々の常識を覆すようなものも多く極めて興味深いものだった。また、そこには、今日我々が採るべき政策の方向性も明確に示されており、多くの方々に是非知って頂く必要があると考え、勉強会で示されたエッセンスを私なりにまとめてみたところである。皆様の御参考に供したいと願うものである。 2. (昭和恐慌の教訓) 1929年、浜口雄幸内閣の井上準之助蔵相の下で、割高な旧平価による金本位制への復帰が強行される。これは、「企業の整理・淘汰を進めなければ経済停滞から脱出