「最近の若い社員のことを”アスファルト人間”と言っておるんですわ」ーー日本電産の永守重信社長は一気にまくし立てた。「とにかく怒鳴りつけても、冗談を言っても、まるで反応がない。いくら水をまいても、全部、跳ねのけて道路わきのドブに流し込んでしまうアスファルト道路と同じ。どんなに熱心に仕事を教え込もうとしても、染み込んでいきよらへん」。 (中略) カレーライスを昼食に出し、早く食べた者から採用したなどというユニークな人材選びの逸話に事欠かない日本電産だが、バブルの時代には不本意ながら、「常識的な採用」を強いられた。「京セラでフランス料理、島津製作所では日本料理、お宅では中華料理でも」などと言う学生を相手に、人事部長がホテルで“接待”にいそしまざるを得なかった。 しかし、永守社長の堪忍袋の緒は切れた。バブルの時代も守り通した「新入社員は素手で便所掃除」という新人研修は学生にも「悪名」高いが、加えて