三回生向けの少人数授業で大学の裏山に登る。彼女らは、このまま来年卒論を作る事になるので、昨秋の配属先選択の際に面接をして「マクロ生物学の卒論なんて辛いばっかりだよー」と散々っぱら脅かしたのを乗り越えてきた人たちで、なかなか楽しそうに虫網振り回したり地面に座り込んだりしている。中でも一人、面接時に脅かせば脅かすほど目をきらきらさせて「楽しそうです!」と言った人がいて、ひねくれ者の私としては、「ひょっとして面接ではポジティブな事を言わなきゃいけないと思い込んでるだけで、実はよくわかってないんじゃなかろうか?」とか心配していたのだけど、この人が本物だった。枯れ木とかバリバリ割っては、ヤスデとかほじくり出して「これなんですか?」とか質問してくるわけ。というわけで、歩こうと思っていた行程の1/6しか進めなかったと言う。いや、素晴らしい事です。