収賄罪で起訴され、一審無罪となった藤井浩人美濃加茂市長の裁判の控訴審。名古屋高裁(村山浩昭裁判長)は、贈賄罪などで有罪が確定している業者を職権で証人として呼び、裁判官が直接尋問を行うことを決めた。この業者は、一審ですでに2度証人出廷しており、それをさらに高裁が職権で呼ぶというのは異例の展開だ。しかも裁判長は、検察側が証人と事前の打ち合わせを行わないよう、やはり異例の要請も行った。 業者の証言の信用性が最大の争点まずは、これまでの展開をおさらいしておく。 藤井浩人美濃加茂市長藤井氏は、2013年に市長に当選した時には、全国で最年少市長として注目された。しかし翌年、市議時代に防災用浄水プラントを自治体に売り込んでいた業者の中林正善社長(贈賄、詐欺で懲役4年の実刑が確定し服役中)から、2度にわたって合計30万円の賄賂を受け取ったとして逮捕された。捜査・公判段階を通じ、一貫して無実を訴えてきた。