「これ、間違いじゃないわよね?」 進路相談の場で、担任・F先生は戸惑うように私を見つめた。その高校では2年生から大学進学コースの文系及び理系、専門学校及び就職希望者のためのコース、3通りのクラスに分かれるのであった。1年生の冬に希望コースを決め、それに基づいて進路相談をする。向かい合わせに座った私は、きっぱりと答えた。 「間違いじゃないです」 私が用紙にチェックを入れたのは「進学・理系コース」。 彼女が驚くのも無理はない。なぜなら私は算数障害だからだ。 高校1年生の初夏、中間テストの返却時。 「人には得意不得意があるとは言いますが、こんなにも差が開く人もいるのか、と驚きましたね」 F先生の言葉に、クラス中がどっと笑った。誰なんだろう、どれくらい差があったのだろう。私も笑っていた。 成績表を渡され、私の笑顔は凍りつくことになる。“こんなにも差が開く人”は、他でもない私だったからだ。 現代国語
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