馬淵澄夫国土交通相は5日の記者会見で、民主党が看板政策の一つに掲げていた高速道路の「原則無料化」について、今夏までに最終的な実施区間を示す方針を明らかにした。「厳しい財政状況などを踏まえる」とも述べ、原則無料化の旗を名実ともに降ろす可能性を示唆した。 馬淵氏は原則無料化の公約について「一瞬ですべてを無料にするのではなく、道路の有効活用を図る施策」と説明。「いつまでも社会実験を繰り返してごまかしていると見られるのは本来の思いではない」と述べた。 一方で、無料化区間を決めるに当たっては、財政難や実験結果、国民の意見などを踏まえる必要性を指摘。「具体的に実施し得るものを皆さんに示す勇気と覚悟が求められている」として、現実路線に転じる考えを示した。 国交省は当初、無料化には1.3兆円の財源が必要としていた。今年度は1千億円の予算で昨年6月から全国の高速道路の約2割に当たる約1650キロの区間