生活保護という話から、ふと思い出したことがあります。私の父の世代は兄弟が多く、長男一家を残して皆家を出ました。例え長男が家を出たくとも、先祖代々の墓を守り、家督をついで、その土地にとどまりました。 本家といえば聞こえがいいですが、都会に出ることもなく、慶事、法事をかかさず、その際には親戚一同を迎え入れて一席を設け、近所で生活に困った人がいれば、米や醤油だけでなく、生活の面倒をみて、いつ訪問しても食事やお酒をふるまい、家業に黙々と精を出す。そして、年老いた親の介護をし、そして最期を看取る。場合によっては、出稼ぎに出かけたりもする。社会の教科書にも農家の出稼ぎの話がしっかりと載っているそんな時代がありました。一方で、次男坊以下は都会に出て、新しい人生を、生活を一から築き上げる。 かつての日本はそんな感じだったと記憶しています。 先祖代々の土地が道になり、宅地になり、また公民館や大型ショッピング