NHKの籾井勝人新会長の発言が、また国際的な反響を呼んでいる。彼はあわてて撤回したが、韓国メディアはいっせいに「慰安婦はどこの国でもあった」という発言を批判する一方、大阪市の橋下徹市長は「まったく正論だ」と擁護した。 籾井氏の発言は「韓国が戦争地域だった」とか「日本が強制連行した」という初歩的な事実誤認だが、うんざりするのはこんなつまらない問題がいつまで経っても大騒ぎになる日韓の「歴史問題」のややこしさである。ここでは、それがどこからもつれたのか、歴史を簡単に振り返ってみよう。 日本は韓国と戦争をしたことがない 韓国人が日本に対する恨みとしてよく言うのが「日本の植民地支配で近代化が遅れた」という話だ。朝鮮半島が日本の領土だったのは1910年8月の日韓併合から1945年8月の敗戦までの35年間だが、なぜか彼らは「日帝36年」と呼んでいる。 籾井氏はこの時期に朝鮮が「戦争地域」だったと思ってい