夕陽への郷愁。それは日本固有の文化なのだろうか?それともヒト共通の感覚なのだろうか?それから世界は一瞬紺色になり、あとはずっと夜である。いつまでも見守ってくれていると思っていた太陽に見限られたのだ。住居の発明は同時に家路の発明でもある。 試験官の計らいで思いがけず半日の休日が発生した。とはいえ特に行きたい所もなかったので何となくバイクで走り続け、原生林を思い出し、一昨日公園を見つけた山へ行った。 山の三叉路を今度は「←原生林」へ。一昨日そちらに行かなかったのは、いつかゆっくり時間をかけて見学したいと思ったからだ。原生林なんて面白いに決まっている。 車一台とも出会わない舗装された道を延々と走る。道の両際にヒカゲヘゴが茂っており白亜紀にでもいるみたいだ。 やがてまた表札が現れた。「→原生林7km」とある。矢印の指す脇道は道が真ん中でえぐれている未舗装の悪路だった。こんな道を7kmも走るらしい。
