早朝に出社し夜の残業を減らす「朝型勤務」が企業の間に広がりをみせている。 仕事を効率化させ、社員の私生活の充実や、残業代など経費の削減につなげるのが狙いだ。日本企業の長年の課題である長時間労働を解決する決め手になるか、朝の風景を追った。 夜も明けきらない午前4時、伊藤忠商事(東京都港区)で金属原料の事業開発を担当する一ノ瀬浩さん(44)の一日が始まる。神奈川県大和市の自宅を出て始発電車に乗り、東京・北青山の職場に着いたのは、6時11分。海外の相場の状況に目を通しメールを整理すると、地下1階に下りて会社が用意した朝食をとる。バナナやおにぎりなど三つまで無料だ。 一ノ瀬さんは「時差のある北米とのやり取りに間に合うので、早朝勤務は都合がいい」と話す。部下の社員も7時過ぎに出勤した。 伊藤忠商事は5月に朝型勤務を本格導入した。対象は国内に勤務する約2600人。午後10時以降の残業を禁止する