2001年9月11日アメリカ合衆国のニューヨークおよびワシントンD.C.で起きたいわゆる「米同時多発テロ」事件(以下911事件と略称)は、世界の人々に大きな衝撃を与えました。しかしそれを出発点として始まったいわゆる「対テロ戦争」War on Terrorは人類を全くの混沌へと導いています。他方では911事件において一体何が本当に起きたのかは必ずしも徹底的な解明が行われてはいません。かなり長い間この問題について考える材料は極めて乏しいものでしかありませんでした。言うまでもなくアメリカ合衆国そのほかの諸政府による情報開示が極めて不十分なものであったためです。2004年における米政府の設置した調査委員会による「最終報告書」も当該事件に対する説明責任を十分果たしたものとは言い難いことはつとに指摘されているとおりです。そればかりかそこでは答えられねばならない疑問点や重要な証言が却下されてしまったので