「疲れ切ってくたくたでした」。50年連れ添った夫を亡くした妻の言葉です。お別れの通夜や葬儀、遺品の整理、その後の暮らし…ではありません。夫が亡くなった後、訪れた市役所での手続きに、ぐったり疲れたのです。愛する、大切な家族を失った…大変な時こそ、せめてやさしく寄り添ってほしい。そんな思いに応える新たな取り組み“おくやみコーナー”が注目されています。(松江放送局記者 川田侑彦) 大分県別府市。全国的な温泉地として知られるこの街の市役所が2年前に設けたのが“おくやみコーナー”です。さまざまな窓口が集まる市役所の地下1階。落ち着いた色合いの生け花とともに「おくやみコーナー」と書かれた案内表示があります。その奥にはパーティションで仕切られた4畳分ほどのスペースがあり、テーブルといすが並べられています。 おくやみコーナーは、家族が亡くなった時に役所で必要な手続きを、ここで『一元的に』受け付けてくれる新