先日、中島梓(栗本薫)の訃報が流れたのち『週刊文春』に竹宮恵子による追悼文が載っていた。論点は無論「BL・腐女子(この言葉が普及してから、やおいって言葉は衰退しつつあるな…)の元祖」世代としての栗本薫の業績だ。 竹宮いわく『私たちは戦後の男女平等教育を受けて育ちましたが、現実は違う。』、つまり、制度としての"女性らしさ"の束縛という理不尽がまだまだ横行していた。そこで彼女らは『性差ではなく性格で』攻受が決まる少年愛ものを書くようになった云々…との次第。 通俗的な解釈として、いわゆる腐女子、つまり男同士の同性愛の話を好んで消費する女性というのは、男女の恋愛劇は自分を女性側に投影することになり、当事者的に女性の嫌な部分を直視したくないから男同士の同性愛の話に惹かれるのではないか、とか言われる。 はたまた、この分野の専門家としては古株らしい栗原知代という人は、かつて1990年代の初頭『CREA』