かつては渋谷に店を出すことは流行の発信地に拠点を置くという意味があったが、今の渋谷は池袋のように「流行を消費するまち」になりつつある。特に独自性を売りにしたいと考える企業にとってはあえて選ぶような魅力ある立地ではなくなっているのだ。 こうしたコモディティ化には渋谷の盟主、東急電鉄も危機感を抱いている。勢いのあった頃の渋谷には、アーティストや各種フリーランス、アパレルやIT、デザイン系などの小規模事業者が多く集まっており、そうした人たちが活気を生み出していた。それをなんとか再現できないか、そうした試みがヒカリエ以降見られるのである。