「私はこれからも土俵に上がらない」。高市早苗首相は1月、福岡市で明言した。 師と仰ぐ故安倍晋三氏をはじめ歴代首相は、大相撲の初場所や夏場所を中心に、優勝力士に内閣総理大臣杯を授与してきた。史上初の女性首相の判断が注目されたが、昨年秋の就任以降、いずれも男性が代理として総理大臣杯を手渡した。 高市氏が見送りを決めたのは、大相撲の土俵の「女人禁制」を重視したためだが、過去にはこの伝統を「男女差別」だと反発した女性政治家も複数おり、議論を呼んだ。高市氏の決断の背景を探った。 (共同通信=丹伊田杏花) ▽「男女平等の話ではなく、日本の伝統の話だ」 1月25日、東京・両国国技館で行われた初場所千秋楽。結びの一番の後に催された表彰式に高市氏の姿はなかった。優勝した新大関安青錦に対し、代わりに総理大臣杯を贈呈したのは松本洋平文部科学相だった。高市氏はその時間帯、都内の公邸で過ごしていた。 5日後の30日

