勝手なことを暢気(のんき)に言い募ることを「太平楽を並べる」というが、語源は雅楽の太平楽からきている。はるか昔に大陸から伝来し、平安時代に様式が整えられたという。明治以降は天皇陛下御即位に際して必ず舞われるようになったおめでたい舞楽である。 ▼風雅の道にも疎い小欄ではあるが、その太平楽を今上陛下御即位20年を記念して開かれた演奏会で運良く鑑賞できた。平成2年11月、即位礼後の饗宴(きょうえん)でも演奏されたが、序、破、急を通しての演奏はまれだそうで、まさしく百聞は一見にしかずだった。 ▼平和なのんびりした舞をイメージしていたが、そうではなかった。金色(こんじき)の兜(かぶと)をかぶり、鮮やかなオレンジの装束に身を包んだ4人の舞人が、笙(しょう)、篳篥(ひちりき)の音色にあわせて鉾(ほこ)を振りかざし、太刀を抜いて演じる勇壮な「武の舞」である。 ▼舞人が身につける甲冑(かっちゅう)は重さ15
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