和歌山県太地町で行われているイルカ漁の実態を追ったドキュメンタリー映画『ザ・コーヴ』。本年度アカデミー賞やサンダンス映画祭などで数々の賞に輝き、話題を呼んだ作品が日本公開を直前にして、東京都内の劇場や大阪・シネマート心斎橋で急遽上映中止となった(※)。これは、同映画を「反日映画」と捉えた団体による過激な抗議活動を受けての判断だという。その後も上映中止に対し、55人のジャーナリスト・文化人が反対声明を発表するなど、依然として大きな波紋を呼んでいる『ザ・コーヴ』。その内容を客観的かつ冷静に分析してみた。 『ザ・コーヴ』 盗撮に憶測……作り手の誠意はどこに? マイケル・ムーア監督の『ボウリング・フォー・コロンバイン』(2002年)や『華氏911』(2004年)、アル・ゴア元アメリカ合衆国副大統領が主演した『不都合な真実』など、過去に日本でも話題を呼んだドキュメンタリー映画は数多くあった。もちろん
南アフリカで開催されているサッカーワールドカップで、ついに最悪の事態が起きてしまった。W杯出場中のカメルーンのチームが凶悪な強盗の被害に遭ってしまったのだ。南アは治安の悪さがかねてから懸念されていたが、主役であるスポーツ選手が被害に遭うというミュンヘン五輪を彷彿とさせる最悪の事態に、国際世論の反応が注目される。 事件が起きたのは日本時間14日の午後11時すぎ。スタジアムで次の試合に備えて練習試合に臨もうとしていたカメルーン選手らの前に、青づくめの服装をした暴漢ら11人がわらわらと現れ、足や手でボールに殴る蹴るの暴行を加えたすえ、カメルーンチームの所持勝ち点3を強奪した。 地元警察では、暴漢の服装から「決定力不足で知られるギャング“青い旅団”に間違いない」と見ている。犯人のひとりが、去り際に 「急に被害者が来たので強盗してしまった」 と意味不明の言い訳をしていたことも、旅団の関係者であるアツ
言論表現の自由にとって残念な事態がじわじわと広がっている。アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞した映画「ザ・コーヴ」の、上映自粛の動きである。完成当初からその内容には賛否両論があった。その後、配給会社は国内上映に向け指摘されてきた法的な問題について解決すべき努力をした上で、全国での上映予定を発表していた。 にもかかわらず、一部の団体の抗議を受けて、幾つかの映画館はすでに上映中止を決定し、私たちが作品を実際に見、考えるきっかけは奪われてしまっている。さらに本来表現の自由を重んじるべき大学までもが上映会を中止する事態に至っている。 私たち日本ペンクラブはちょうど二年前、同様の抗議行動によって映画の上映や講演会が開けない事態を憂慮し、声明を発表するとともに映画の上映会を実施した。 いま改めて言う。自分の考えと異なる意見にも耳を傾け、その発言機会を保障しよう。そして、そうした場
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