鯨肉窃盗事件で青森地裁は、環境保護団体グリーンピース・ジャパンのメンバー2人に執行猶予付きの有罪判決を言い渡した。窃盗の事実関係に争いはなかったが、被告・弁護側は公共の利益を図る「不正告発」のための調査活動として正当と、無罪主張を展開。これまで窃盗事件としては異例ともいえる計7回の公判が重ねられてきた。 国から補助金が出ている調査捕鯨をめぐり、捕鯨船の乗組員らが鯨肉の一部を横流ししているとの情報を基に、2人は運送会社に侵入。乗組員によって発送された鯨肉入りの段ボール箱を持ち出し、それを「証拠」として業務上横領容疑で検察庁に告発した―というのが事件のあらましだ。 青森地裁判決は「(告発によって)従来の調査捕鯨で一部不明朗な点があった鯨肉の取り扱いが見直された」としながらも「調査活動が公益を目的とした正当なものであったとしても、刑罰法令に触れる行為をして他人の権利を侵害することは到底是認するこ