転機の三木参拝 首相として初めて終戦記念日に靖国神社を参拝する三木武夫氏(右端)=1975年8月15日【時事通信社】 実は首相の靖国参拝そのものは戦後、普通に行われてきたと言っていい。吉田茂首相はじめ歴代の首相は、春と秋の例大祭に合わせて訪れていた。 所氏によると、首相の公式参拝が難しくなったのは、戦後30年の1975年、初めて8月15日に三木武夫首相が参拝したことが影響している。自民党内で基盤が弱かった三木氏が日本遺族会などの支持を得ようとして踏み切ったとみられる。 三木氏は国会で「個人としての参拝」と説明した。だが、所氏は「首相の行動で公的か私的かという区別はあるようでない」と指摘。「それまでは天皇も首相も春秋の例大祭参拝が原則だったのに、議論が8月15日の参拝に集中してしまった」と解説する。天皇の参拝は75年11月が最後だ。 78年にはA級戦犯が合祀された。85年の終戦記念日に中曽根