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ブックマーク / readingmonkey.blog.fc2.com (5)

  • 本当のデカルトさんが読者に本の読み方を提案する

    デカルト(René Descartes, 1596-1650)は自分の(哲学書)をこんな風に、気楽にしつこく読んで欲しいと言っている。 普段読みつけない難しいめのを読む時に参考になるだろう。新入生にもおすすめだ。 「最初はこの書物全体を、いわば小説を読むように、ざっと通読していただきたい。 あまり心を張りつめたりせず、むずかしい個所にぶつかるようなことがあっても、たいして気にかけたりせず、私の扱っている問題がどのようなものであるかを大づかみに知っていただくだけでけっこうです。 そしてそのうえで、これらの問題は検討する値うちがあると思い、その原因を知りたいという気が起これば、再読して、私の理由のつながりに注目してくださるとよいのです。 しかし、そのつながりをあますところなく十分に知ることができなかったり、すべての理由を理解するわけにゆかなかったりしても、まだあきらめてはなりません。 難解

    本当のデカルトさんが読者に本の読み方を提案する
  • フランクリンが友人に教えた線1本で作る意思決定ツール

    まだアメリカ独立戦争が始まってなかった1772年、ベンジャミン・フランクリン(危険な雷実験を敢行し避雷針を発明、サマータイムなどを発明したが、特許は取得せず、利益をいきなり社会に還元した)が、イギリスの友人である化学者ジョセフ・プリーストリ(酸素の発見者、消しゴムや炭酸水の発明者でもある)に手紙を書き送り、そのなかで勧めた「心の代数」(Moral Algebra)、といってもピンと来ないかもしれない。 だが、以下の説明を見れば、おそらく聞いたことがあるか見たことがあるではないだろうか? 中には既に使っている人もいるに違いない。 1.まず紙の真中に縦の線を一引こう。準備はこれだけである 2.そして、いま決定したい事項について、賛成する理由を線の左側に、反対する理由を線の右側に、それぞれ書いていく。 フランクリンは、この作業に時間をかけるよう勧めている。「数日に渡り,折に触れては、賛成の側、

    フランクリンが友人に教えた線1本で作る意思決定ツール
  • 子供の辞典は、今さら聞けない大人の味方である(英語篇)

    聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥。 だが、大人には、その「一時」が惜しい。耐え難い。 いつのまにかプライドが、贅肉のようにへばりついているのだ。 だから若者よ、大人には、「怒らせると手がつけられない暴君」に接するがごとく、接するのがよい。つまらない大人に限って(だからこそ、というべきか)、バカにされるとすぐ怒り出す。 話がそれた。 「当たり前」すぎて、人に聞くのもそうだが、いざ調べると、なかなかわからない類の事柄がある。常識とか教養とか背景知識とかトリビアとか、重なってなさそうで重なっていたりもするが、そういう事項だ。 ましてや、異文化のことともなれば、なおさらである。 たとえば数学で出てくる円錐は、はたまた円弧は英語ではなんといえばいいか。 大脳と小脳はそれぞれなんといえばいいか。 テコの原理で日語なら「支点」という、あそこは英語なら何になるのか。 数学事典や解剖学のを読めば良い? 

    子供の辞典は、今さら聞けない大人の味方である(英語篇)
  • 原書を読みたいが自信がない? よろしい、ならばVery Short Introductionだ

    おなじOxford社でも、ReadersでなしにVery Short Introduction(以下「VSI」と略す。)というシリーズがある。 日では、岩波書店から「一冊でわかる」というトンデモなシリーズ名を冠にして売られているが、こっちは訳の外れが多くて、大いに損をしている(ただ原書にはない、日語で読める読書案内をつけているところなど、言い落とすのはフェアでない)。 が、オリジナルの方は、極めて簡単な英語(かつてなら中学レベルと言えた。今は中学、高校、大学、大学院、それぞれのレベルが下方シフトしてるので、こういう言い方が成り立たないのが不便)、しかも分量は実質100ページ、プラス、インデクスや文献リストなどが20-30ページ。原書読みのエントリー・モデルである。 テーマは多彩、執筆者は(けっこう)一流どころ(な人も)。ただし100ページに押し込めるために、どの著者もいろいろ工夫(時に

    原書を読みたいが自信がない? よろしい、ならばVery Short Introductionだ
  • 再読する、そのコストとベネフィット 読書猿Classic: between / beyond readers

    再読の便益(ベネフィット)は、その機会コスト(つまり、そのをもう一度読む時間で読めた新たなから得られるかもしれなかった便益=再読することで断念した便益)を見込んだとしても、プラスであり、しかもかなり高い。 (その理由) 1.はじめて読むよりも、再読するは、速く読める 2.はじめて読むよりも、再読するは、深く読める 3.再読することは、新たに読むを探し出すコスト(そのがハズレである際に無駄になる探コストも含む)を省くことができる。公平を期するために、蔵書の持ち越しコストを勘案しても、再読することの方がコストが低い。 4.新奇さにのみ浪費されるコストもない。 5.再読に耐えぬを発見し処分でき、再読に耐えぬをあらかじめ避ける眼を養うことを通じて、読書生活の長期的なコストを最適化できる。 まだまだあるだろうが、相手にさるぐつわをかませたまま、タコ殴りにしている気分になってきた

    再読する、そのコストとベネフィット 読書猿Classic: between / beyond readers
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