1ヶ月ぶりに、独り暮らしの母に電話したら 「猫さんが死んじゃって、その次の日に私がコロナで入院しちゃってね…」 と、ずいぶんと情報量の多い一言を放った。 母に、コロナは大丈夫なのか?後遺症とかはないか?と尋ねると 「私は大丈夫なの。でも、私のウイルスが猫さんに感染して、死んじゃったんじゃないの?って姉さんに言われて、もしかしたら、って思うと…」 とメソメソと泣き出し、おばちゃんも勝手なことを言うもんだとため息をつきながら 「母さん、コロナはヒトからネコの感染はありません!」 と強く、ゆっくりと話すと 「良かった。喉の小骨が取れた気分。ありがとう」 と、鼻をグズグズ言わせながら明るい声に変わった。 猫は、俺が中学生の時に拾って、今年の夏で20才、人間になおすと100才だ。 「猫さん、私が仕事から帰ってきたら玄関の真ん中で座っててね。小さい声で、かすれた声で、にゃー、にゃぁ、にゃ、って鳴いた後
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