今日はいつもと趣向を変えて、私自身のオールタイム・ベストをご紹介したいと思う。まずは海外文学から。 一応ベスト10ということで10作品選んでみたが、数ある偏愛小説群の中からたった10篇だけ選ぶというのはかなり無茶な話で、だから今の気分で選ぶとこうなる、ぐらいにご理解いただければと思う。来月選べばまた微妙に変わってくるかも知れない。とはいっても、オールタイムベストというぐらいだからどれも昔から何度も読み、読む度にその素晴らしさを思い知らされてきた作品ばかりであり、そういう意味ではもちろん、そうそう大きく変わることはない。変わるとしたら、同じ作家の別の作品に置き変わるぐらいだろう。たとえばクンデラはなぜ『冗談』でも『不滅』ではなくこれなのか、とか、タブッキは『供述によるとペレイラは…』や『レクイエム』ではないのかとか、カフカはなぜ『審判』でないのかと問われても、多少の理由は言えないこともないが