4月30日より「穀雨」末候「「牡丹華(ぼたんはなさく)」となります。読んで字の如しで解説は不要でしょう。上代に大陸から日本に伝わり、その後大いに愛されて、鑑賞に、日本画や着物、焼き物や彫刻、刺青などの意匠となった牡丹。でも現代の日本人は牡丹がどんな花か、昔の人のように明確に思い起こせない人が多いのではないか? ともすると、あるまったく異なる花と取り違えている人が多いような気がします。どうしてなのか、考察してみました。 ボタン(牡丹 Paeonia suffruticosa)は、ボタン科ボタン属の落葉低木。その豪奢で圧倒的に美しい花の姿は、「富貴花」「百花の王」と呼ばれ、間近で見ると息を呑んで見つめずにいられません。 ところが、桜(ソメイヨシノ)の花見季節に近接しているためか、GWの直前・最中頃に咲くためか、洋花の王様・薔薇とどことなく姿や花色がかぶるせいか、あまり牡丹の開花が大々的に報じら