アメリカ軍による第2次世界大戦末期の東京大空襲は必要だったのか? 女性や子どもを含む民間人を無差別に殺した東京大空襲を検証した歴史ノンフィクションだ。 虐殺ともいえる空襲を指揮したアメリカ軍の司令官は戦後、日本から勲章を贈られた。そんな日本人も忘れた史実も伝える。広島や長崎への原爆投下に比べ、東京大空襲に対する日本国民の関心の低さを指摘するなど、日本人が読んでも多くの気づきがある良質の作品だ。 本書はニューヨーク・タイムズ紙の週間ベストセラーの5月16日付ランキング(単行本ノンフィクション部門)において第2位で初登場した。アメリカではよく、第2次世界大戦に題材をとる歴史ノンフィクションがベストセラーとなる。 こうした類書に共通する主張は「戦争を早く終わらせるには他に選択肢はなかった」というものだ。日本への原爆投下などアメリカ軍による非人道的な軍事行動はすべて、この論理で正当化するのがアメリ