言葉の通時的変化は概してより楽なほう,コストの低いほうへ向かうという経済性の原理に従っています.たとえば英語の動詞や名詞の屈折も,昔は強変化(不規則変化)であったものが,どんどん弱変化(規則変化)になってきました.言語使用者としては,無駄なエネルギーは使いたくないということで,規則化や簡略化が進みます.いずれはドイツ語やフラン語も現代英語のように簡単なものになるはずです. いつの時代も年配者は若者の言葉の乱れを嘆きますが,これも経済性原理に従っており,出鱈目に乱れているわけではありません.だらしなく聞こえる若者の話し方,例えば うざい→うぜえ,だるい→だりい,ださい→だせえ なども,口の動きを小さくして発声のエネルギーを節約しているわけです. 了解しました→りょ,り などもその典型です.笑い→wなどもですね.昔,あけおめ,なんてのもありました(なつ). もちろん言葉には自集団を他集団と区別