IT業界に就職して,20年になる。20年のキャリアの中で多くの「すごい現場」に立ち会う経験をしてきた。このコラムではその経験を紹介していく。その前に初回は,自己紹介を兼ねて私自身がどんな現場を歩いてきたか,振り返ってみたい。 筆者は大学卒業後,日本IBMにSEとして入社した。面接で「営業とSEとどちらをやりたいか?」と質問されたので「コンピュータの会社だからとりあえずSEをやってみるかな」程度の軽い気持ちだった。大学では政治学を専攻したいわゆる文系SEである。 配属先は金融機関担当の事業部門。ある地方銀行の担当を命じられた。小規模な地銀だったので新人の筆者を含めわずか3人のSEで勘定系,情報系,ネットワーク,ディーリングシステムなど当時の銀行システムのほとんどすべてを担当した。最初は都市銀行担当に配属された同僚をうらやましく思ったものだ。しかし,小規模だからこそ顧客のシステムや組織全体を見
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