日本の食卓には、水産物を欠かすことはできません。魚そのものはもちろん、例えば和食の基本である出汁は、カツオや昆布などの水産物に由来しています。「魚は余りたべない」という人でも、和食の出汁がなくなったら、困るでしょう。 「魚が食べられなくなる」という話をしばしば耳にします。ウナギやクロマグロが絶滅危惧種になっていることは、皆さんもご存じだと思います。日本近海でカツオやサンマが捕れなくなったとか、ホッケの大きさが小さくなったというような報道も目にする機会が増えています。魚が減ったと言いつつも、スーパーマーケットの鮮魚コーナーには多種多様な魚が並び、夕方になれば、毎日のように売れ残りの半額セールが実施されています。一体どうなっているのでしょうか。 水産物がこんなに身近にもかかわらず、漁業の現場のことは一般人にほとんど知られていません。これまで、食卓と漁業の現場には、ほとんど接点がありませんでした