ある日のさいたま地裁。被告人は埼玉県迷惑行為防止条例違反で逮捕・起訴されたS(45)。髪は真っ白、なで肩の体に汚れた大きめの赤いジャンパー。ヨロヨロ歩くその様子は、まだ40代にも関わらず、老人のようなくたびれ感を醸し出している。 Sは朝の電車内で女子高生のスカートをまくりあげ、尻を触ったという。痴漢のために無職にも関わらず早朝の電車に乗り、ときに乗り換えながら、好みの女性を物色していた。そんなガッツがあるなら仕事もすぐ見つかりそうなものだが……。 被害女性の隣に立っていた女性の調書には「上尾から乗ってきた男が、隣の女の子にすり寄ってきた。無理矢理後ろに回り込み、しばらくすると『ハァハァ』と息をし始めて、気持ち悪かった」とある。こんなに分かりやすく痴漢を働いておきながら、一度は逃走を図ったり、しらばっくれたりしていたという。 「もともと女子高生の制服が好きだった。逮捕されたときは『仕事を探し