学校で習う「日本史」のイメージは、いわゆる“暗記科目”の一つではないでしょうか。そこで、『歴史をなぜ学ぶのか』を上梓した東大教授・本郷和人氏は、高校で使う日本史の教科書を執筆する際に「物語性」を重要視したといいます。歴史を学ぶ上で意識したい、歴史と物語の違いとは一体何でしょうか。 歴史、とりわけ日本史というと読者の皆さんはどんなイメージを持たれているでしょうか。学生時代に「鳴くよウグイス平安京」「いい国作ろう鎌倉幕府」とか、語呂合わせで暗記させられた方が大半なのではないかなと思います。 日本史という教科はあまり面白くないという声は少なくありません。そんな方の多くは、学生の頃に暗記ばかりさせられてつまらなかったという体験が記憶に刻み込まれているのではないかと、私は推察しています。 というのも、私自身、高校で使う日本史の教科書を作る経験をしたことがありました。少なからず、当時の教科書に不満を持