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ブックマーク / movie.maeda-y.com (11)

  • 超映画批評『unknown アンノウン』60点(100点満点中)

    『unknown アンノウン』60点(100点満点中) 抜群に面白い設定 人が映画館に行こうと決意する理由はさまざまだ。スターが出ているとか、有名な監督の作品とか、この夏一番の話題作とか、それぞれであるが、そのどれでもない『unknown アンノウン』の場合は間違いなく、その奇抜なストーリー設定に惹かれて出向く方が大多数のはずだ。 主人公の男(ジェームズ・カヴィーゼル)が目を覚ますと、そこは廃工場だった。まわりには彼を含め、同じように眠っていた5人の男たちがいた。二階の手すりに手錠でつながれた瀕死の男、椅子に拘束された中年男、そして激しく争った形跡や、大量の血痕……。工場はすべての窓、出入口にカギがかけられており、彼らは完全に閉じ込められていた。どう見ても、尋常な状況ではなかったが、最大の問題は、全員が記憶喪失であるという点であった。 このなぞめいた、あまりに魅力的な密室状況。そこに一

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    fou 2006/11/11
    人狼ぽい設定。
  • 超映画批評『ゆれる』80点(100点満点中)

    『ゆれる』80点(100点満点中) 男同士の兄弟の内面を鋭くえぐる、スリリングなドラマ 映画業界にとって、一番の稼ぎ時である夏休みシーズン。内外の大作が居並ぶ中で、地味なドラマ映画ながら、屈指の傑作なのが『ゆれる』だ。まるで、ぽつんと紛れ込んだようなこの作品は、とくに派手な大作映画を敬遠するタイプの方には、真っ先に見てほしい一だ。 女にモテ、カメラマンとしても成功し、東京で派手に暮らす弟(オダギリジョー)。家業のちっぽけなガソリンスタンドを継ぎ、女に縁がなく、老いた父と二人で暮らすさえない兄(香川照之)。この二人が久しぶりの法事に、故郷で再会するところから物語は始まる。 弟は、兄が面倒な実家のもろもろを背負い込んでくれたから、東京で好きなことをやっていられるのだと薄々気づいていながら、何でも許してくれる優しく面倒見のよい兄に、無意識に甘えている状態だ。この日もあろう事か、兄が思いを寄せて

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    fou 2006/07/02
  • 超映画批評『インサイド・マン』90点(100点満点中)

    『インサイド・マン』90点(100点満点中) 大人が楽しめる、格的な犯罪娯楽映画 銀行強盗を描く映画は数あれど、この映画の犯行の手口にははっとさせられる。なんとこの犯人は、人質全員に自分たちと同じ服を着せてしまうのだ。 白昼堂々と、ニューヨークのマンハッタン信託銀行を襲った犯人(クライヴ・オーウェン)とその仲間たちは、人質全員の服を脱がし、自らと同じ没個性な黒スーツを着せる。前例のない犯行に翻弄される警察だが、現場を指揮する刑事(デンゼル・ワシントン)は出口を固め、犯人たちを完璧に閉じ込めることに成功する。しかし、犯人と人質の区別がつかないため、下手に突入できない状況が続いていた。そんな中、銀行の会長は、やり手の弁護士(ジョディ・フォスター)を呼び出し、犯人たちとある交渉をさせるべく、現場に送り込むのだが……。 『インサイド・マン』は、アメリカ映画らしい重厚な大傑作をみたと満足できる、す

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    fou 2006/06/04
  • 超映画批評『隠された記憶』90点(100点満点中)

    『隠された記憶』90点(100点満点中) ショッキング映画、妊婦その他心臓の弱い人は絶対鑑賞禁止! 凄い映画が現れた。万人向けではないが、たいへん知的で、インパクトの強い傑作の誕生である。 カンヌ国際映画祭でも絶賛された、このフランス映画『隠された記憶』は、ジャンルでいえばスリラーという事になろう。テレビキャスターとしてそこそこ成功し、や息子と幸せに暮らしている男の元へ、1のビデオテープが送られてくるところから話は始まる。 そのテープの内容は、延々と自宅の玄関が映されているだけという、意味不明なものだった。しかし、やがて第2弾、第3弾が届くにつれ、家族の恐怖は増してゆく。そういうストーリーだ。 観客には、差出人が誰なのかも、その目的もわからない。非常に不気味で落ち着かない。この映画、一切の音楽を流さない演出で作られており、緊張感がまったく途切れず進む。 実際問題として、犯行可能な人間が

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    fou 2006/05/03
  • 超映画批評「2005年の総括」

    『2005年の総括』 はじめに お正月は映画業界もお休み、というわけで、この週は新しい公開作品も無い。しかし、それでも毎日、このサイトに来てくれる人はたくさんいるわけで、そんな皆様の暇つぶしになればと、毎年書いているのがこの総括である。 思えばサイトをOPENして約2年半、今でも右肩上がりにアクセスが増えているというのは、大変嬉しいことだ。これからもコンセプトを変えずに、誰にも気兼ねせずに、しかし責任を持って、ユーザーのためになる情報を発信していきたいと思う。 何しろ皆さんは、貴重な時間を割いて映画を観に出かけるのだ。そして、さらに別の時間を割いて、このサイトを読みに来てくれている。だとするならば、私はそれに見合うだけの情報や、面白さ等の娯楽要素を提供しなくてはならない。少なくともここで紹介する映画に関しては、「読んでから観る」方が面白くなければ、このサイトの存在価値など無い。 そんなわ

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    fou 2006/01/18
  • 超映画批評『変身』1点(100点満点中)

    『変身』1点(100点満点中) 全部作り直す以外に道はない 以前、あまりミステリを読んだことのない女友達(30代 美人)に、「何かいいはない?」と聞かれたとき、私は一冊のミステリ小説を彼女に紹介した。 そのは、最初の1ページから抜群に面白い、いわゆる「猛烈な面白さの引力に引き込まれる」タイプの小説で、その作家の代表作のひとつとされる、紛れもない傑作だった。そして、その作品最大の特長は、冗談抜きで「最後の1行で涙があふれる」感動の恋愛物語であるという事だった。 それはもう、世界の中心で何かを叫んで喜んでいるような人が読んだら、あまりのレベルの違いに腰が抜けるであろうと思われる大傑作だ。その彼女もいたく感激したようで、おかげでそのお礼に、私にすばらしい一夜をプレゼントしてくれた。 ……わけはなく、「次はもっと面白いのを買って」などという、困難極まりない課題を私に課したのである。美人とは、同

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    fou 2005/11/14
  • 超映画批評『がんばれ!ベアーズ ニュー・シーズン』90点(100点満点中)

    『がんばれ!ベアーズ ニュー・シーズン』90点(100点満点中) オリジナルの魅力をよく理解した素晴らしいリメーク 少年野球映画の不朽の傑作『がんばれ!ベアーズ』(76年)のリメイク。 かつてはメジャーリーガーだったが、いまやアル中の害虫駆除業者に落ちぶれた主人公(ビリー・ボブ・ソーントン)に、リトルリーグのチームのコーチの依頼がくる。単に金のために引き受けた彼だったが、そのチーム"ベアーズ"の恐るべきダメさに愕然とする。悪ガキやいじめられっ子、英語すら話せない外国人、車椅子の少年など、メンバーはやる気のない連中ばかり。案の定、なんの練習もせず挑んだ初戦において、ベアーズは想像を絶する大敗を喫してしまう。 いやはや、素晴らしいリメイクである。オリジナルの魅力をよく理解し、少しだけ新しさを加えた忠実なつくり。やはり、あれだけ完成度の高い脚は、そうそう変えられるものではない。また、変えるべき

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    fou 2005/10/02
  • 超映画批評『エイリアンVSヴァネッサ・パラディ』15点(100点満点中)

    『エイリアンVSヴァネッサ・パラディ』15点(100点満点中) 確信的詐欺、わかって楽しめる人こそ上級者 エイリアンと、フランスの人気歌手ヴァネッサ・パラディが戦うSFドラマ。 舞台はどこかの寂れた田舎町。この町のささやかな祭りの出し物のため雇われた、流れ者のスタントマン(ジェイソン・フレミング)がやってきた。ところが彼は町のボスの一人娘(ヴァネッサ・パラディ)と恋に落ち、ボスの怒りを買ってしまう。 いやあ、ひどい映画である。原題とも内容ともまったく無関係なこの邦題、じつにひどい。公式サイトなど行くと、この映画の出演者で唯一名前の売れているヴァネッサのかわいらしい写真とともに、「映画史上最大の衝撃が襲い掛かる!」などと書いてある。ひどい冗談である。 あまり事情に詳しくない人がこれらを見れば、「ヒロインのヴァネッサが、エイリアンと戦うアクション映画だろう」と勘違いしてもやむをえまい。しかし、

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    fou 2005/10/02
  • 超映画批評『チャーリーとチョコレート工場』70点(100点満点中)

    『チャーリーとチョコレート工場』70点(100点満点中) ≪あまり教育によろしくない子供向けファンタジー 主演ジョニー・デップ、監督ティム・バートンという個性派コンビによるファンタジックなブラックコメディ。ロアルド・ダールによる世界的な子供向けロングセラー『チョコレート工場の秘密』の、二度目となる映画化。 ジョニー・デップ演じるウィリー・ウォンカは、"世界一おいしい"チョコレート工場の経営者。その斬新な新作お菓子の数々は、子供たちの心をつかんで放さない。ある年の冬のこと、これまで謎のベールに包まれてきた彼のお菓子工場を見学できる権利を、世界中の子供たちの中から抽選で5人に与えるとウォンカは発表した。そのゴールデンチケットは、世界中で販売される板チョコの中に無作為に同封されているという。 てなわけでさあ大変、チョコ好きの子のチョコ消費量はさらに増えるわ、金持ちによるチョコの買占めが始まるわで

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    fou 2005/09/12
  • 超映画批評『ランド・オブ・ザ・デッド』75点(100点満点中)

    『ランド・オブ・ザ・デッド』75点(100点満点中) 幾多の類似品とは違う、これぞゾンビ映画のオリジナル 60~70年代から始まるゾンビ映画の始祖ジョージ・A・ロメロ監督による最新作。幾多の粗悪な類似品とは明らかに一線を画す、これぞまさにオリジナル、元によるゾンビ映画だ。 舞台は地上を生ける屍に支配されたアメリカ。生き残った人々は川に囲まれたわずかな地域をフェンスで囲み、ゾンビから身を守って生きている。しかしその“町”は一人の権力者(デニス・ホッパー)により支配され、人々は搾取され、貧しい暮らしを余儀なくされていた。主人公(サイモン・ベイカー)は、仲間とともに特殊な装甲車デッド・リコニング号で外の世界に繰り出し、ゾンビを蹴散らしながら廃墟の街に残った物資を収集してくる傭兵。そして彼の右腕チョロ(ジョン・レグイザモ)は、密かに上流階級への仲間入りを企んでいた。 のっけからゾンビとの激し

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    fou 2005/08/24
  • 超映画批評『魁!!クロマティ高校 THE☆MOVIE』60点(100点満点中)

    『魁!!クロマティ高校 THE☆MOVIE』60点(100点満点中) クロマティ選手が怒り狂うほどのバカらしさがお見事 週刊少年マガジンで連載中の野中英次の人気ギャグ漫画を、『地獄甲子園』などおバカ映画作りに定評のある山口雄大監督が実写映画化したもの。 誰よりも真面目な少年神山高志(須賀貴匡)は、中学時代のカツアゲの危機を救ってくれた山(坂口拓)に憧れ、彼と同じ都立クロマティ高校に入学した。だがそこは、高校生、いや人間とは思えない連中の巣窟であった。 山口監督らしい、ぶっとんだお馬鹿映画だ。今回はVFXも多用して、ふざけた笑いを連発する。とくに前半はコミック版の雰囲気をうまく生かしたギャグの切れがよく、原作ファンなら腹が痛くなるほどの爆笑を実現している。 特に、主演の須賀貴匡(「仮面ライダー龍騎」)が役柄にぴったりで、演技も良い。彼を起用できたことはこの映画にとって幸いであった。フレディ

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    fou 2005/07/17
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