常喜眞理「女のココロとカラダ講座」 30代半ばのAさんは、秋口に新型コロナに感染した。発症後は38度台の発熱とひどいせきが続き、肺炎所見もひどかったため入院治療を受けた。その後、呼吸器症状も改善し、ようやく職場復帰をしたところだった。 退院後は、私のクリニックで経過をみていた。せきは大きく息を吸い込んだりした時に出るくらいで、だいぶ改善した。嗅覚は半分くらい戻ってきたという。甘い、塩辛いはわかるが、コーヒーの香りなどは、はっきりしないようだ。 体のあちこちに湿疹もできているが、Aさんが一番気にしている症状は脱毛だった。洗髪や髪をとかす時、驚くほど髪が抜ける。 コロナに感染したとわかった後の熱、せきもつらかったが、元気になると信じて入院中も必死に症状に耐え、味もわからない中、体力を取り戻すように懸命に食事もとってきた。コロナ感染は、仕事を休んでいる間、同僚に仕事量を増やすことになることへの気