部下のプレゼンに同行した帰り道、ふらりと立ち寄りたくなるような、気の利いた小料理屋を見つけた。パシっとノリのきいた白いのれん。白木の門構え。しかし、値段は大衆的だ。うん、ここ。僕は自分へのご褒美となる、うまいビールを飲んでから家に帰ることにした。 何しろ、今日のプレゼンはドンピシャリだったのだ。おそらく受注は確実だろう。営業をしているにもかかわらず、顧客から「素晴らしい提案をありがとうございます」と深々と頭を下げられてしまったのだ。さぞや、提案が的を射ていたのだろう。そういえば、部下も僕の方を尊敬するようなまなざしで見つめていたようだ。おそらく彼にとっても、ずいぶんと勉強になったのではないか。 そんなふうに、成功したプレゼンを振り返りながら飲むビールはうまかった。「ふぅーっ」。大きく息をつきながら、僕はリラックスモードへと突入していった。さてと。軽いつまみでも選ぼうか。僕は充実した気分を感