エイモリー・B・ロビンス ロッキーマウンテン研究所共同創立者・名誉会長/スタンフォード大学土木・環境工学非常勤教授/自然エネルギー財団理事 2021年3月10日 印刷する 今から6年前、朝日新聞(2014年1月18日付)への寄稿で、私は「日本は化石燃料資源には乏しいが、自然エネルギーの資源は主要工業国のなかで最も豊富だ」と述べた。では、なぜ「ドイツの9倍もの自然エネルギー資源を有している日本がドイツの9分の1(大型水力発電を除く)の量しか自然エネルギーで発電していない」のだろうか。それは「日本の電力会社による寡占体制が競争を阻んできた」からだ。日本とドイツの正反対のエネルギー政策が「福島原発事故後の明暗を分けた」。あれから10年が過ぎ、日本は自ら招いた痛手から回復したのだろうか。 2011年3月11日の東京電力福島第一原子力発電所の事故の直後、ドイツ政府は、原子力発電所容量の41%を閉鎖し