2011年10月30日19:33 カテゴリ経済 「カロリーベースの食料自給率」という嘘 TPPについてはネット上で下らないデマが流されているようで、けさの記事にも「農業が壊滅してもいいのか」という類のコメントがたくさん来た。今さら反論する価値もないが、正しい議論の素材を提供するために基本的な事実を補足しておこう。 農水省の発表している食料自給率は、2010年度はカロリーベースでは39%、生産額ベースでは69%である。ところが農水省は、前者だけを公式の自給率として発表している。これによれば畜産品の国産比率は70%だが、その飼料となる穀物の自給率が低いため、これをかけたカロリーベースの自給率は17%になる。卵の96%は国産だが、その自給率はわずか9%だ。 こんな計算に意味がないことは明らかだ。カロリーを取るだけなら、たとえば小麦の輸入が止まったら他の作物を食えばよい。自給率97%の米でもいいし