セックスの終焉 (トーキングヘッズ叢書 6 『シミュレーション・セックス』1994年) 山形浩生 セックスの話である。ぼくはセックスが下手なので、どうもこの種の話は苦手だ。別にセックスが嫌いというわけじゃない。あのシチュエーションは、そんな悪いものではないし、そこに到るまでのプロセスも、終わってしまえばそれなりに楽しいものではある。それに相手のからだに触れたり、触れられたりするのは好きなのだけれど、そこから挿入に移るあたりが、いつもなんとなくスムーズに行かずにもどかしい思いをしたり、あるいは面倒臭くなってしまうのだ。 だいたい、マンコというものは、何度やっても(というほど数をこなしているわけじゃないが)チンコをはめやすいような位置にあるとは思えない。こう、ヘソのあたりについておれば狙いもつけやすいし便利なのに。あるいは、チンコのほうがもう少し自明な形をしていて、無用な努力なしにはまるように