ギリシャ戦。大変陳腐な言い方になってしまうが、鍵を握っているのは、本田圭佑のプレイにある事は間違いない。 コートジボワール戦の先制点は、個人能力による得点という視点から言うと、日本代表史に残る一撃だった。スローインからの長友と香川の巧妙なつなぎを受け、非常に深い右足の持ち出しで、利き足の左足で強いインステップキックができるポイントに正確にボールを置く事に成功、一瞬バランスを崩しながらも強烈にゴールキーパのニアサイドを破った。本田と言う選手の、繊細な技巧と体幹の強さが、組み合わされた実に美しい得点だった。 そもそも、過去の日本代表において、このような個人能力の冴えだけで、敵DFを粉砕し得点できるタレントは、過去もカミカゼ釜本とドラゴン久保しかいなかった。しかも本田は、この強烈な一撃を、よりによってワールドカップ本大会で決めてくれたのだから。 いや、この時点で感じた未来への極めて明るい雰囲気は