栃木県那須町で2017年3月、登山講習会に参加した県立大田原高の生徒ら8人が死亡した雪崩事故で、防災科学技術研究所の研究員ら専門家による調査チームが「雪崩は人為発生の可能性が高い」という見解をまとめ、学会で報告した。講習会を運営した教諭らが漫然と歩行訓練をさせたことが雪崩発生につながった疑いが強まった。 調査チームは、雪崩発生から6日後に上空から現場を撮影した写真を解析するなどし、亡くなった8人を含むグループ(A班)と別のグループ(B班)の足跡や雪崩発生位置を調べた。 その結果、雪崩発生域は茶臼岳山腹の大岩「天狗の鼻」から数十メートル離れた場所と推定。足跡から、A班は斜面を上方に向かって歩き、天狗の鼻直下(標高1465メートル程度)で発生推定域の近くに到達していたことが分かった。B班もA班の近く(標高1430メートル程度)を歩いていた。 A…